平均故障間隔がx時間,平均修理時間がy時間のシステムがある。使用条件が変わったので,平均故障間隔,平均修理時間がともに従来の1.5 倍になった。新しい使用条件での稼働率はどうなるか。
稼働率を求める式は、MTBF/(MTBF+MTTR) です。
MTBFとMTTRが共に1.5倍になったとすると、
1.5MTBF/(1.5MTBF+1.5MTTR)
=1.5MTBF/(1.5(MTBF+MTTR))
=MTBF/(MTBF+MTTR)
セマフォを用いる目的として,適切なものはどれか。
共有資源を確保する
セマフォ(semaphore)とは、信号機の意味で並行動作している複数のタスク間で共通して使用する資源へのアクセスを制御するメカニズムです。整数型の共有変数である「セマフォ変数」と、それを操作する「P操作」「V操作」で同時更新によってエラーを引き起こす処理部分の排他制御を行います。
次の画像符号化方式のうち,携帯電話などの低速回線用の動画像の符号化に用いられるものはどれか。
MPEG-4低ビットレートでの使用にまで用途を拡大することを目標として策定された規格。動画・音声全般を扱う多様なマルチメディア符号化フォーマットを規定していて、パソコンで動画を扱う際によく使われるDivXやXvidはMPEG-4 Visual(Video)の技術を利用したものである。
数十k~数百kビット/秒という低ビットレートの圧縮方式の一つであり、携帯電子機器などへの利用を対象にしている。
監査調書はどれか。
監査調書は、実施した監査手続の内容や発見した問題点、関連資料、結論などを文書化したものです。
NAND素子を用いた次の組合せ回路の出力Zを表す式はどれか。ここで,論理式中の"・"は論理積,"+"は論理和,"X"はXの否定を表す。


NAND(Not AND)回路は、AND回路の否定なので2つの入力が1のときだけ0を出力し、その他の場合は1を出力します。
X,Yがそれぞれ0,1の場合のZの値は次のようになります。
X,Y両方が0の場合だけZは0になり、その他の場合はZは1となるので、この回路図はOR回路の出力と同じになります。したがって正解はOR(論理和)を表す「X+Y」です。
※要チェック
Java Servletの説明として,適切なものはどれか。
Javaで開発されたプログラムであり,クライアントの要求に応じてWebアプリケーションサーバ上で実行される。
16進小数0.Cを10進小数に変換したものはどれか。
16進数を10進数に変換する場合は、16進数→2進数→10進数というように2進数を経由して考えるとわかりやすいです。
まず16進数の0.Cを2進数にすると、
0.C(16)→0.1100(2)
となります。小数点以下の2進数の各桁は10進数で1/2n(nは各桁の小数点からの距離)と表現できるので、
0.1100(2)=1/21+1/22=0.75
したがって16進数の0.Cは10進数で「0.75」の値になります。
関係データベースにおいて,表の中から特定の列だけを取り出す操作はどれか。
射影は、表の中から特定の列だけを取り出す操作です。
ある単体テスト工程では,1,000ステップ当たりのバグ摘出率はほぼ正規分布になることが分かっている。チーム別のバグ摘出率をヒストグラムで表したところ,バグ摘出率が高いことを嫌ってデータを意図的に操作し,管理値内に収めてしまったチームがあることが推測できた。これに該当するヒストグラムはどれか。ここで,SLは管理下限,SUは管理上限を表す。

「バグ摘出率が高いことを嫌ってデータを意図的に操作し,管理値内に収めてしまった」という記述から、当該チームはバグの摘出率が上限以内に収まっている【ウ】か【ア】ということになります。
【ウ】のヒストグラムが中央値を中心に上方・下方にバランスの良い山型を示しているのに対して【ア】のヒストグラムでは、上限値より上の摘出率が全くなかったことになっています。
正規分布であれば、上方と下方に同程度の確率で値が分布しきれいな山形になるはずなので、【ア】のヒストグラムはデータの操作が行われたため不自然な分布になっていると考えることができます。
共通フレーム2007によれば,非機能要件に該当するものはどれか。
非機能要件とは、性能や信頼性,保守性,拡張性,セキュリティなどのように、システム自体に求められる業務要件や入出力など以外のもの全般を指します。
プロダクトライフサイクルにおける成長期の特徴はどれか。
導入期商品投入に関するイニシャルコストがまだ回収されていないためキャッシュフローはマイナスになります。成長期成長性を高めるため広告宣伝費の増大が必要になります。成熟期商品の特性を改良し、他社との差別化を図る戦略をとります。衰退期他社からのマーケット参入が相次ぎ,競争が激しくなります。
E-R図に関する記述として,適切なものはどれか。
E-R図は、データベース化の対象となる実体(エンティティ)と実体の持つ属性(アトリビュート)、および実体間の関連(リレーションシップ)を表現する図です。
任意のオブジェクトとその関連をデータモデル化することができるため、関係データベースの設計によく利用されます。
OSI基本参照モデルにおけるネットワーク層の説明として,適切なものはどれか。
エンドシステム間のデータ伝送を実現するために,ルーティングや中継などを行う。
分散データベースの透過性の説明として,適切なものはどれか。
分散データベースとは、地理的に離れた場所に設置されているデータベース群を論理的にひとつのデータベースとしてアクセスできるようにしたものです。利用者が分散データベースを利用する際に、分散されていることを意識せずあたかも一つのデータベースのように扱うことができる性質を分散データベースの透過性といいます。
透過性をもつためは、利用者が分散データベースを使用していることを意識させないように設計されている必要があります。
データのバックアップ方法に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
業務処理がバックアップ処理と重なるとレスポンスが遅くなる可能性があるので,両方の処理が重ならないようにスケジュールを立てる。
正しい。バックアップは業務時間外に実施するのが適切な運用です。
要件定義プロセスで実施すべきものはどれか。
共通フレーム2007によると要件定義プロセスは、「新たに構築する(あるいは再構築する)業務,システムの仕様を明確化し,それをベースにIT化範囲とその機能を具体的に明示することである。また,関連する組織およびシステムに対する制約条件を明確にし,定義された内容について取得者側の利害関係者間で合意することである。」と定義されています。
要件定義プロセスは、1.プロセス開始の準備
2.利害関係者要件の定義
3.利害関係者要件の確認
の3つのアクティビティから構成され、この内「利害関係者要件の定義」の中で「利害関係者のニーズの識別と制約事項の定義」のタスクが定義されているので正解は【ウ】ということになります。
組込みシステムでリアルタイムOSが用いられる理由として,適切なものはどれか。
リアルタイムOSは、OSの機能である資源管理のうち、時間資源の保護および実行時間の予測可能性を提供することに特化したものを指します。また高優先度のタスクが発生したときに確実に実行されるように優先度方式のスケジューリングが採用されます。
リアルタイムシステムでは入力に対して即時処理が求められます。この時間的な制約を守るために最適化されたOSであるリアルタイムOSが用いられています。
したがって正解は「期待される応答時間内にタスクや割込みを処理するための仕組みが提供される。」です。
四つの装置A~Dで構成されるシステム全体の稼働率として,最も近いものはどれか。ここで,個々の稼働率は,AとCが0.9,BとDが0.8とする。また,並列接続部分については,いずれか一方が稼働しているとき,当該並列部分は稼働しているものとする。

計算手順としては、AとCで構成される左側、次にBとDで構成される右側を計算し、最後に二つのシステムを直接につないだ時の稼働率を計算していきます。
[左側 AとC]
1-(1-0.9)2
=1-0.12=0.99
[右側 BとD]
1―(1-0.8)2
=1-0.22=0.96
[全体 A,C と B,D]
0.99×0.96=0.9504≒0.95
よって正解は0.95となります。
マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち,可用性に該当するものはどれか。
可用性は、システムが正常に稼働し続け、ユーザが必要な時にシステムが利用可能である特性を示します。
オブジェクト指向プログラムの特徴はどれか。
C言語に代表される手続き型プログラムでは、プログラムは関数の組合せで構成されるのに対して、オブジェクト指向プログラムの考え方では、オブジェクトと呼ばれる機能をまとめた部品によってソフトウェアが構成されます。
データとそのデータに関数する手続き(メソッド=Method)をひとまとまりとして定義することで、そのオブジェクトは独立した部品として扱うことができるようになります。これによってオブジェクトの内部の設計を知らなくても、外部から手続きを呼び出すことで目的の処理を実現することができるようになります。オブジェクト指向によってソフトウェア機能の部品化・再利用を行うことができるので生産性も向上します。
RAIDに関する記述のうち,適切なものはどれか。
RAID0(ストライピング)複数のディスクに分散してデータを書き込むことで、アクセス性能を向上させる。RAID1(ミラーリング)同じデータを2台のディスクに書き込むことで、信頼性を向上させる。実質記憶容量は50%となるので記憶効率は悪い。RAID2データにエラー訂正用のハミング符号を付加したものをストライピングで書き込む。RAID3データのエラー訂正用にパリティビットを使用し、一つのディスクをエラー訂正符号の書き込み専用とする。RAID4RAID3とほぼ同じ。RAID3でビット/バイト単位だったストライピングをブロック単位で行う。RAID5情報データとともにパリティビットも各ディスクに分散して書き込む方式。信頼性,アクセス性能が共に向上する。
プログラムの各種特性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
複数のプロセスで同時に実行できるようにしたプログラムは,再帰的である。
複数のプロセスで同時に実行できるようにしたプログラムは、再入可能なプログラムです。
再帰的処理のためには,実行途中の状態をFIFO方式で記録し,制御する必要がある。
再帰構造を実現するには実行途中の状態をLIFO方式のスタックで記録します。
逐次再使用可能なプログラムは,再入可能でもある。
再入可能とは複数のタスクで同時に使用してもそれぞれに正しい結果を返すことができる特性です。逐次再使用可能は、他のタスクが使い終わったプログラムを再ロードしなくても正しい結果を返すことができる特性ですが、複数のタスクに対して正しい結果を返すことは保証していません。
再入可能プログラムを実現するためには,プログラムを手続部分とデータ部分に分割して,データ部分をプロセスごとにもつ必要がある。
正しい。再使用可能なプログラムであるためには、手続き部分は複数のタスクで共有し、データ部分はタスク単位で確保する必要があります。
8ビットのデータの下位2ビットを変化させずに,上位6ビットのすべてを反転させる論理演算はどれか。
論理演算を利用したビット操作には、論理積(AND)を用いて特定位置のビットを取り出す操作と、排他的論理和(XOR)を用いて特定位置のビットを反転させる操作があります。
あるビットと1の排他的論理和演算は、被演算ビットが0であれば結果が1、1であれば結果が0になるのでビットが反転する特徴をもっています。
この問題では8ビットのデータの上位6ビットを反転させたいので、2進数「1111 1100」との排他的論理和をとることで上位6ビットを反転されることができます。
2進数「1111 1100」を16進数で表すと「FC」なので正解は【イ】となります。
※※未解決
個別生産,プロセス生産,連続生産,ロット生産の各生産方式の特徴を比較した表のaに当てはまるものはどれか。

個別生産受注した注文ごとに仕様や製造計画・納期を設定し製品を生産する方式。プロセス生産食品/飲料、化学製品、医薬品、石油、素材などのように、液体やガスなどの原材料を加工することで製品価値を生み出す生産方式です。連続生産ライン生産方式とも呼ばれ、大量生産を行う工場で製品の組み立て工程、作業員の配置を一連化(ライン化)させ、ベルトコンベアなどにより流れてくる機械に部品の取り付けや小加工を連続的に行う生産方式です。ロット生産同じ製品をロットと呼ばれる単位で生産する方式。一度に大量に生産することで製品1つあたりに要する段取り時間を少なくすることができる。それぞれの特徴から a=個別生産,b=連続生産,c=ロット生産,d=プロセス生産 ということがわかります。
情報戦略における全体最適化計画策定の段階で,業務モデルを定義する目的はどれか。
企業の全体業務と使用される情報の関連を整理し,情報システムのあるべき姿を明確化すること
業務プロセスのモデリング表記法として用いられ,複数のモデル図法を体系化したものはどれか。
UML(Unified Modeling Language)は、オブジェクト指向開発で用いられる標準表記法群で、UML2.0ではオブジェクト間の関連や動作・構成を表現する13種の図表から構成されています。
UML2.0の13の図法は表現する対象によって構造図,振る舞い図に分類されます。構造図システムの静的な構造をモデルで表現する。
クラス図,コンポジット構造図,コンポーネント図,配置図,オブジェクト図,パッケージ図振る舞い図システムの振る舞いをモデルで表現する。
アクティビティ図,ユースケース図,シーケンス図,インタラクション概念図,コラボレーション図,タイミング図,ステートマシン図
LANに接続されたパソコンに対して,そのIPアドレスをパソコンの起動時などに自動設定するために用いるプロトコルはどれか。
DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、TCP/IPネットワークで、ネットワークに接続するノードへのIPアドレスの割り当てをアドレスプールから自動的に行うプロトコルです。各クライアントにIPアドレスを設定するネットワーク管理の負担が軽減され、使い終わったIPアドレスを回収→再割当てを行うことでIPアドレス資源の有効活用が期待できます。
レーザプリンタの性能を表す指標として,最も適切なものはどれか。
1インチ(2.54cm)当たりのドット数と1分間に印刷できるページ数
MTBFが21万時間の磁気ディスク装置がある。この装置100台から成る磁気ディスクシステムを1週間に140時間運転したとすると,平均何週間に1回の割合で故障を起こすか。ここで,磁気ディスクシステムは,信頼性を上げるための冗長構成は採っていないものとする。
それぞれの機器が21万時間の間に1回故障したとすると、ディスクシステム全体では21万時間に100回の故障を起こすことになります。つまりこのシステム全体のMTBFは、
21万時間÷100=2100時間
ということになります。1週間に140時間運用するのでMTBFが2100時間であれば、
2100÷140=15
15回の故障が起こる計算になります。
タスクスケジューリング方式の説明のうち,特定のタスクがCPU資源の割当てを待ち続ける可能性が最も高いものはどれか。
処理予定時間が最も短いタスクから順に処理を実行する。現在実行中の処理が終了するか,又は何らかの要因によって中断されたとき,次のタスクを開始する。
正しい。処理時間順方式の説明です。予定処理時間の長いタスクは、いつまでもCPU資源が割り当てられず実行されない可能性が高くなります。
出力待ちの印刷要求を,同一機種の3台のプリンタA~CのうちAから順に空いているプリンタに割り当てる(Cの次は再びAに戻る)システムがある。印刷要求の印刷時間が出力待ちの順に,5,12,4,3,10,4(分)である場合,印刷に要した時間の長い順にプリンタを並べたものはどれか。ここで,初期状態ではプリンタはすべて空いているものとする。

クラスタ分析の結果を表す図はどれか。
クラスタ分析は、複数の変数(項目、属性、次元数)を持つデータを利用し、その変数間の相互の関係性をとらえるために使われる統計的手法です。
対象となる複数の異なる性質のものが混ざり合っているの中から、類似したものを集めてグループを作り、分類する過程と結果をデンドログラム(樹状図)として表現します。

ディジタル署名などに用いるハッシュ関数の特徴はどれか。
ハッシュ関数は、任意の長さのデータを入力すると固定長のビット列(ハッシュ値,メッセージダイジェスト)を返す関数で、次のような特徴を持っています。•入力データが同じであれば、常に同じメッセージダイジェストが生成される。
•入力データが少しでも異なっていれば生成されるメッセージダイジェストは大きく異なったものになる。
•メッセージダイジェストから元の入力データを再現することが困難である。
•異なる入力データから同じメッセージダイジェストが生成される可能性が非常に低い。
このような特徴を応用して、ハッシュ関数は通信経路での改ざんの有無やユーザ認証,ディジタル署名などの場面で利用されています。
主なハッシュ関数にはMD4,MD5,SHA1,SHA2などがあります。しかしこの中でMD4,MD5,SHA1はアルゴリズムの危殆化が懸念されているため、より強度のあるハッシュ関数への移行が推奨されています。
ドローソフトを説明したものはどれか。
図形や線などを部品として,始点,方向,長さの要素によって描画していく。また,これらの部品の変形や組合せで効率的に図形を描画していくことができる。
TCP及びUDPのプロトコル処理において,通信相手のアプリケーションを識別するために使用されるものはどれか。
IPアドレスが送受信の対象コンピュータを識別する情報なのに対して、ポート番号はデータの宛先となるアプリケーションを表す情報です。
利用者が,インターネットを経由してサービスプロバイダ側のシステムに接続し,サービスプロバイダが提供するアプリケーションの必要な機能だけを必要なときにオンラインで利用するものはどれか。
SaaS(Software as a Service,サース)とは、専門の事業者が運用するサービスを必要な機能を必要なだけネットワーク(インターネット)経由で利用する形態です。自分の企業でシステムを構築する比べて、時間と費用を大幅に節約することができる利点があります。
次の流れ図において,
①→②→③→⑤→②→③→④→②→⑥
の順に実行させるために,①においてmとnに与えるべき初期値aとbの関係はどれか。ここで,a,bはともに正の整数とする。

順序の通りに進むと処理は次の流れで行われます。1.a→m,b→n
2.m<n で⑤の処理に進む
3.n-m→n
4.m>n で④の処理に進む
5.m-n→m
6.m=nとなり処理終了
⑥の段階でm=nとなることから、直前の処理④のnをmに置き換えて、
m-n=m
m-n=n
m=2n
nは直前の処理⑤でn-mで計算されているので、nをn-mに置き換ると、
m=2n
m=2(n-m)
m=2n-2m
3m=2n
という開始時の2つの変数の関係を表す式を導くことができます。mはa、nはbが代入される変数なので初期値の条件は「3a=2b」になります。
システム開発における工数の見積りに関する記述のうち,適切なものはどれか。
COCOMO(Constructive Cost Model)は、ソフトウェアの見積もりで、予想されるプログラム行数にエンジニアの能力や要求の信頼性などの補正係数を掛け合わせて開発工数や期間,要員や生産性を見積もる手法です。
三つの製品 A,B,C を,2台の機械 M1,M2 で加工する。加工は,M1→M2 の順で行わなければならない。各製品をそれぞれの機械で加工するのに要する時間は,表のとおりである。
このとき,三つの製品をどの順序で加工すれば,加工を始めてから全製品の加工が終了するまでの時間が最も短くなるか。ここで,ある製品のM1での加工が終了したとき,別製品を続けてM1で加工することができるものとする。また,段取りなどの準備時間は無視する。
